タオル製造へ事業拡大した2000年、「お葬式に欠かせない香典返しギフトタオルを持ち帰る時に、荷物にならないようコンパクトに包装できないか。」というお客様のご要望をきっかけに、独自の真空圧縮技術の開発がはじまりました。

「真空といってもただ空気を抜くだけではない。ギフトとして、見た目に美しく。持ち運びやすいサイズの箱にきちんと収まるよう、形も均一でコンパクトに。」 表面が波打たずフラットで、エッジが立ち、すべての包装サイズを均一に仕上げる。試行錯誤を経て、お客様の声と足立織物の技術がかみ合った真空パッキングが誕生しました。 見た目の美しさに加え、パックを開けた瞬間から柔らかいタオルを使うことができ、品質を保持したまま長期間保存できる実用性を伴い、2000年に実用新案を、2011年に「タオルをコンパクトにしわを寄せず美しく包装する」特許技術を取得しました。

2011年3月11日、東日本大震災の発生時、最低気温2.9°Cの首都圏で帰宅困難に陥ったお客様から「事務所が寒くて仕方がなく、毛布があればと思った。足立織物さんの真空技術を、毛布にも活かせないか?」というご要望をいただきました。 「一人に一枚、場所を取らず避難場所や会社に置ける非常用毛布を!」という一心で、圧縮機械の改良を繰り返し、200×120センチのふわふわの毛布を、A4サイズ・7分の1の大きさまで圧縮した「非常用圧縮毛布」を開発しました。本棚やデスクに収納できるフラットな非常用毛布、備蓄容積を85%削減できる毛布として、「グッドデザイン賞2013 BEST100 ものづくりデザイン賞」特別賞を受賞しました。

最適な脱気率を研究した完全密封パッキングにより、吸水機能を損なわずに、長期清潔保存できる「非常用衛生用品」。 ISSきぼう「スペースBD社・スペースデリバリープロジェクト」では、「成型形状と極めて宇宙空間に近い真空度」により、宇宙環境耐性を持たない曝露実験品を保護に成功。

「SINKU」は、お客様のご要望をよく聞き、真空パッキングする対象品の特性・保存環境を見極めて技術研究し、要求に応えるものづつくりに挑戦しつづけることで培ってきた、足立織物独自の真空パッキング技術です。